こんにちは
さとう塗そうです。
今回は、築130年という長い年月を刻んできた建物の「補修工事」の様子を紹介します。
現場に立つと、柱や床、外壁の一枚一枚にこれまでの長い年月の歴史が刻まれていて、ただの「塗り替え工事」ではなく、これからも「長く保ち続けるための手入れ」という想いを強く感じる現場でした。
今回は、
・室内:シロアリ被害に伴う下地材の入れ替えと床の復旧後の塗装
・外部:板の張り替えと周囲に馴染ませる2色塗り分け
という内容で工事を行いました。
「新しくするところ」と「残すところ」をどう繋ぐか。
私たち、塗装職人の腕の見せどころでもあります☺️
■ 室内:シロアリ被害による補修と床の復旧塗装
まずは室内から紹介していきます。
今回の建物では、床の一部にシロアリ被害が見られました。
長年の湿気や環境の影響で、どうしても木部はダメージを受けてしまうことがあります。
被害を受けた部分は、大工さんの手によって下地材を新しく交換しています。
下地の木材には、防蟻塗料を塗ってあります。
そちらの作業風景は、こちらのブログをご覧下さい( *´꒳`*)
🏠:https://painting-satotoso.com/everyday/改修工事下地処理の様子/
その後、一度剥がした床板を元の位置へと戻し、復旧しました。
ただし、ここで問題になるのが「見た目」です。
床を復旧する際にはどうしても新しく打った釘の跡が出てしまいます。
また、古い塗膜と新しく触れた部分では色のムラや違和感も出てきます。
ここをそのままにしてしまうと、せっかくの補修も「いかにも直しました」という仕上がりになってしまいます。
そこで私たちの腕の見せどころです☺️☝🏻 ̖́-
■ 釘周りの塗装は“点ではなく面で考える”
釘の頭だけをポンポンと塗るだけでは、かえって目立ってしまいます。
そこで、周囲の色合いや経年の風合いを見ながら、床全体とのバランスを取りながら塗装を行います。
例えば、長年使い込まれた床には、
・日焼けによる色の変化
・歩いた跡による擦れ
・ワックスや油分の染み込み
などがあり、単純な一色では再現できません。
ですので、
・塗料の濃淡を調整しながら
・刷毛のタッチを変えながら
・部分ごとに馴染ませる
という細かな作業を積み重ねていきます。
一見地味な作業ですが、この一手間で「自然に見えるかどうか」が大きく変わってきます🍀*゜
■ 室内施工写真
◎施工前の床の様子です。

→ 釘の打ち直し部分が点々と見え、色もバラついている状態です。
◎施工後の床の様子(補修塗装後)

→ 釘跡が周囲と馴染み、全体が落ち着いた一体感のある仕上がりになりました。
今回は釘の頭とその周りの床(木材)を塗装しています。
それぞれに違う塗料を使用しました。
補修工事のため、【小さくピンポイント】
で塗るのがポイントです☝🏻 ̖́-
床には含浸タイプの塗料を使用しました。
色の濃淡を調整するために、拭き取り作業もしました。

釘の頭は、含浸タイプの塗料では色が着きません。
造膜タイプ(ペンキ)を使用しました。
ペンキは、塗装後艶が出ます。
そのため、床についてしまうと艶が出てしまいます💦
釘の頭からはみ出さず、慎重に作業を進めていきました😊

■ 外部:板の張り替えと“馴染ませる”2色塗り
続いて外部の工事です。
築年数の経った建物では、外壁の板が
・反り
・割れ
・腐食
などで傷んでいることがあります。
今回も一部の板を新しく張り替えました。
ですが、ここでよくあるのが…
「そこだけ新しくて浮いて見える」
という状態です。
新しい木はどうしても色が明るく、木目もはっきりしています。
一方で、周囲の既存部分は長年の風雨で落ち着いた色合いになっています。
そこで今回おこなったのが、2色での塗り分けと調整です。
■ なぜ2色で塗るのか?
一色で塗ってしまうと、
・のっぺりした印象
・不自然な仕上がり
になりやすいです。
そこで今回は
1色目で全体のベース色を整え
2色目で木目や経年の深みを再現
という工程で仕上げました。
これは例えるなら、
「白髪染めをただ一色で塗るのではなく、自然なグラデーションをつける」
そんなイメージです。
■ 外部施工写真
今回は、2箇所板の張替え工事をしました。
◎施工前


新しい板が明るく、周囲と色が大きく違う状態のため、浮いて見えます👀
◎施工中
はじめに、ベースの色を塗りました。

ベースの色が乾いたら、全体のバランスを見ながらもう1色で調整していきます。

◎施工後


周囲の古材と自然に馴染ませることができました😊
この“違和感のなさ”こそ、塗装の力だと感じています。
■ 古い建物ほど「塗装の役割」が大きい理由
築130年という建物は、すでに何世代にもわたって大切にされてきたものです。
私たちが行う塗装は、単に見た目を整えるだけではありません。
・木を保護する
・水の侵入を防ぐ
・劣化の進行を遅らせる
・今ある素材を長く活かす
そうした役割があります。
特に木造の建物では、塗膜の状態=建物の健康状態とも言えます。
雨の日にワックスをかけた車の水がコロコロと弾くように、
塗膜がしっかりしている木部は水を弾き、劣化を防いでくれます。
逆に、塗膜が切れてしまうと水が染み込み、
腐食やシロアリの原因になってしまうこともあります。
■ 今回の工事で大切にしたこと
今回の現場で、私たちが一番大切にしたのは
「新しくしすぎないこと」
でした。
すべてをピカピカにするのではなく、
今ある風合いを活かしながら、必要なところだけ手を入れる。
そうすることで、この建物が持つ【味や歴史】を残すことができます。
⬛︎まとめ:直すのではなく「つなぐ」仕事
今回のような補修工事は、
新築の塗装とはまた違った難しさがあります。
・古い部分と新しい部分をどう繋ぐか
・目立たせずに整えるにはどうするか
・これから先、また長く使ってもらうためにはどう仕上げるか
ひとつひとつ考えながら、丁寧に仕上げました。
もし今お住まいの建物で
・床の色ムラが気になる
・外壁の一部だけ傷んできた
・補修したけど色が合っていない
そんなお悩みがありましたら、まずは現状を一緒に見させてください。
「まだ塗装が必要か分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
いまの状態を知ることが、これから先の安心につながります。
これからも、建物の歴史を大切にしながら、
ひとつひとつの現場と向き合っていきます。
本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。