― きれいになったはずなのに、なぜか気になり始める理由 ―
こんにちは。
佐久・軽井沢・小諸を中心に塗装工事をしている、さとう塗そうです。
今回は、いつもとは少し違う視点のお話をします。
テーマは 「サッシ交換をした“あと”」。
サッシ交換そのものではありません。
工事が終わって、しばらく経ってから
お客様がふと口にされる“ある言葉”についてです。
「サッシは新しくなったのに、なんだか気になるんです」
これは、実際に現場でよく聞く言葉です。
- 「サッシはきれいになったのに、周りが急に古く見えて…」
- 「工事直後は気にならなかったんですけどね」
- 「言われてみれば、ここ…前からこんなでしたっけ?」
サッシ交換が終わった直後は、
ほとんどの方が満足されています。
- 断熱性が良くなった
- 開け閉めが楽になった
- 見た目もすっきりした
それ自体は、間違いなく良い工事です。
ただ、数ヶ月〜数年経ってから
少しずつ出てくる“違和感”。
今日はその正体を、
私たち 塗装屋 目線で、紹介していきます。
後悔① サッシだけ新しくなって、壁とのバランスが崩れる
まず一番多いのが、これです。
「サッシが浮いて見える」
これは決して、
工事が失敗しているという意味ではありません。
新しいサッシは
・色がはっきりしている
・フレームがシャープ
・表面が劣化していない
一方で、周りの外壁は
・紫外線で色が褪せている
・細かいひびや汚れがある
今まで全体が“同じくらい古かった”ものが、
一部だけ若返ることで、
周囲の年齢が急に目立ってしまう。
これは、人の服装に例えると分かりやすいかもしれません。
新品の靴を履いたら、
今まで気にならなかったズボンの裾の擦れが
急に目に入ってきた、感覚に近いかもしれません。
後悔② サッシ周りの「取り合い」は、実はとても繊細
サッシ交換では、
必ずサッシと外壁の境目が生まれます。
この部分を、私たちは
「取り合い(とりあい)」と呼びます。
- ほんの数ミリの段差
- わずかな隙間
- 既存の外壁との質感の違い
工事直後はきれいでも、
時間が経つと、そこが目立ち始めることがあります。
特に多いのが、
- コーキングが痩せてきた
- 壁との境目に汚れが溜まる
- 雨だれの筋ができる
「最初からこうしておけば良かった…」
と、後から言われることが少なくありません。
後悔③ 「コーキングだけで大丈夫」と思っていたケース
サッシ交換後、
「ここはコーキングを打ってありますから大丈夫ですよ」
そう説明を受けることは多いと思います。
実際、それ自体が間違いというわけではありません。
ただし、コーキングは万能ではありません。
- 紫外線に弱い
- 年数が経つと硬くなる
- 痩せて隙間が出る
外壁全体はまだ先でも、
サッシ周りだけ先に劣化が進むこともあります。
その結果、
- せっかく交換したサッシ周りが汚く見える
- 外壁の劣化がそこから進む
- 再度、部分的な補修が必要になる
「今回は見送ったけど、
やっぱり一緒に考えておけば良かったですね」
この言葉も、私たちは何度も聞いてきました。
【では、サッシ交換後は必ず塗装が必要なのか?】
ここで、はっきりお伝えします。
すべてのサッシ交換で、塗装が必要なわけではありません。
・外壁の状態
・築年数
・外壁材の種類
・交換方法
条件が合えば、
「今回は塗装しなくて大丈夫ですね」
とお伝えするケースも、実際にあります。
だからこそ大切なのが、
今の状態を正しく見ること。
サッシ交換“だけ”を見るのではなく、
建物全体の流れの中で考えることです。
【私たちがサッシ交換後に必ず見るポイント】
さとう塗そうでは、
サッシ交換後のご相談を受けた際、
次の点を必ず確認します。
- サッシ周りの下地処理の状態
- 外壁材とサッシの相性
- 既存塗膜の劣化具合
- 雨が当たりやすい向きかどうか
- 今後、何年この建物を使う予定か
「今きれいに見えるか」ではなく、
「数年後どうなりそうか」を基準に考えます。
【「今すぐ工事」より、「後悔しない選択」を】
私たちは、
サッシ交換をきっかけに
無理に塗装工事をおすすめすることはありません。
ただ、
知らずに後悔してほしくない
それだけです。
- もう少し早く知っていれば
- 一言聞いておけば
- 状況だけでも見てもらえば
そうならないために、
私たちのブログで塗装について紹介し、少しでも皆さまの参考になればいいな…と思っています。
【◎施工例】
今回はお風呂の入れ替えにともない、サッシ交換をしました。
1.プライマー
▶︎密着を高めるために塗布します。
2.コーキング
▶︎クラック処理をしました。コーキングは柔らかく、建物の動きに追従することができます。
硬い素材で処理するよりも長持ちさせることができます。

3.模様合わせ
▶︎新規でモルタルを塗ったので、既存の模様に合わせて吹き付けをします。

4.上塗り2回
▶︎模様吹きを完全乾燥させます。
上塗りを2回塗ることで、本来の塗料の性能を発揮することができます。

塗料缶を見ると、
- 道具は何か(ローラー・刷毛/スプレー)
- 使用料(膜厚/何㎡分の材料か)
- 乾燥時間がどのくらいか
- 注意事項
などが、記載されています。
DIYで塗料を使用される場合は、
塗料缶は要チェックです👀✨
※施工後

さとう塗そうでは、改修工事の場合は
「ここ!!工事しました!!」
とパッと見で分かるような工事は避け、
いかに「馴染ませるか」を大切にしています。
そうすることで、既存の建物とのバランスを取り、サッシの場合は「取り合い」も綺麗に仕上げることができます。
【サッシ交換を「きっかけ」に、建物を見直す】
サッシ交換は、
建物を見直す良いタイミングです。
- 外壁
- 木部
- 付帯部
- 防水
全部を一度にやらなくても構いません。
でも、今の状態を知っておくことは、
決して無駄にはなりません。
【最後に…】
サッシ交換を終えた方も、
これから予定している方も。
「塗装する・しない」ではなく、
「どうするのが一番後悔しないか」
一緒に考えさせてください。
工事のためではなく、
これからの住まいのために。
まずは、今の状況を
遠慮なくお話しください。
私たちは、その先を一緒に考える存在でありたいと思っています☺️
本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。