― 軽井沢・佐久の現場で、私たちが実際に見てきた“分かれ道” ―
こんにちは
さとう塗そうです。
今回は、先週よりお届けしてきた【別荘】をテーマにしたブログの最終章です。
塗装工事に携わっていると
別荘の塗装やメンテナンスについて、
オーナー様からこんな言葉を聞くことがあります。
「あの時、もう少し早く見てもらえばよかった」
「まだ大丈夫だと思っていたんです」
「こんなに傷んでいるとは思いませんでした」
これは、工事が終わったあとに聞く言葉ではありません。
劣化が進み、想定以上の修繕が必要になった時 に、
決まって出てくる言葉です。
一方で、こんな声もあります。
「早めに相談して正解でした」
「状態を知れて安心しました」
「結果的に費用も抑えられました」
この違いは、
お金の余裕や建物の築年数の違いではありません。
たった一つの違い です。
それは――
「気になった時に、プロに状態を見てもらったかどうか」
このブログでは、
軽井沢・佐久・小諸・御代田といった東信地区で
数多くの別荘を見てきた さとう塗そう が、
実際の現場経験をもとに、
- 後悔につながりやすい判断
- 安心につながる判断
- その分かれ道はどこにあるのか
を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
最後までお付き合いいただければ、幸いです。
■1. 別荘の劣化は「静かに」「確実に」進む
別荘の劣化が厄介なのは、
派手なサインが出にくい ことです。
- 雨漏りしていない
- 外壁もそこそこ綺麗
- ぐらつきもない
この状態だと、多くの方が
「まだ大丈夫」と判断します。
しかし、私たちが現場で見るのは、
“表面では分からない劣化” です。
●よくある別荘の内部劣化
- 木部の内部腐朽
- 塗膜の防水性能低下
- コーキング内部の亀裂
- 外壁裏側の湿気滞留
これらは、
見た目ではほとんど分かりません。
別荘は
人が住んでいない時間が長い ため、
劣化に気づく「きっかけ」そのものが少ないのです。
■2. 【実例①】「まだ大丈夫」が招いた後悔
軽井沢町内の別荘での実例です。
築20年を超え、
外壁は一度も塗り替えをしていませんでした。
オーナー様は、
「年に1回しか来ないし、特に問題もなかった」
とおっしゃっていました。
現地を確認すると、
- 木部の表面は日焼け
- 一見すると致命的な傷みはなし
しかし、
経験豊富な職人が打診(叩いて確認)すると、
木部内部が空洞化 している箇所が複数見つかりました。
結果として、
- 木部交換
- 下地補修
- 防水処理
が必要になり、
「塗装だけ」の予定だった工事費用が大きく膨らみました。
オーナー様はこう言われました。
「数年前に見てもらっていれば、塗装だけで済んだんですね…」
これは決して珍しい話ではありません。
■3. 【実例②】早めの点検で「何もしなくていい」と分かったケース
一方、佐久市の別荘では、
こんなケースもありました。
オーナー様からの相談は、
「築12年だけど、塗り替えた方がいいのか分からない」
というもの。
経験豊富な職人が点検した結果、
- 塗膜の防水性能はまだ残っている
- コーキングも問題なし
- 木部は軽度の色あせのみ
結論は、
「今すぐ塗装は必要ありません」
このようにお伝えしました。
オーナー様は驚かれましたが、
「正直に言ってもらえて安心しました」
とおっしゃってくださいました。
私たち さとう塗そう では、
必要のない工事は勧めません。
また必要以上にしつこい営業もしません。
状態を正しく知ることが、
オーナー様の1番の安心につながると考えています。
■4. 後悔する人と安心する人の「判断の違い」
これまで多くの別荘を見てきて、
はっきりしていることがあります。
●後悔しやすい判断
- 見た目だけで判断する
- 「使っていないから大丈夫」と思う
- 何か起きてから相談する
- 年数だけで判断する
●安心につながる判断
- 気になった時点で点検する
- 年数より状態を重視する
- 「何もしなくていい」判断も受け入れる
- 地域を知る業者に相談する
違いは、とても小さな一歩です。
「一度、状態を見てもらう」
ただそれだけで、
結果は大きく変わります。
■5. 別荘メンテナンスで本当に大切な考え方
別荘は、
毎日住む家とは違います。
だからこそ、
- 劣化に気づきにくい
- 判断が遅れやすい
- 修繕が大きくなりやすい
という特徴があります。
私たちがオーナー様にお伝えしているのは、
次の考え方です。
「塗るために点検するのではなく、
守るために点検する」
点検の結果、
- 何もしなくていい
- 数年後でいい
- 今のうちに軽く手を入れる
どの判断になるかは、
建物次第です。
その判断を誤らないために、
経験豊富な職人の目 が必要なのです。
■6. さとう塗そうが「別荘の相談役」として大切にしていること
私たちは、
単に塗装工事を請ける会社ではありません。
●大切にしていること
- 地域特性を踏まえた診断
- 別荘特有の劣化を前提に考える
- 見えない部分を重視する
- 無理な提案はしない
- 長く付き合える関係をつくる
創業から60年以上、
東信地区で仕事を続けてこられたのは、
「正直な仕事」 を積み重ねてきたからだと考えています。
最後に…
今回のブログでは、
別荘を例にお話してきましたが、
ここでお伝えしたいことは、
実はすべての建物に共通する考え方です。
戸建て住宅も、
アパートも、
店舗や倉庫も――
建物はみな、静かに、少しずつ歳を重ねていきます。
大きなトラブルが起きてから慌てて直すよりも、
「今はどんな状態なのか」を
知っているだけで、選択肢はぐっと広がります。
私たちが現場で感じているのは、
安心して長く建物を使っている方ほど、
“何か起きる前”に一度、状態を確認している
ということです。
それは、
早く工事をした人が得をする、という話ではありません。
むしろ――
✔ 何もしなくていい時期を、ちゃんと知っている
✔ 必要な時に、必要な分だけ手を入れている
✔ 建物と無理のない付き合い方をしている
そんな方ほど、
結果的に出費も抑えられ、
建物への不安も少なくなっています。
私たち さとう塗そう が大切にしているのは、
「塗ること」よりも、
「守ること」「長く使える状態を保つこと」です。
点検の結果、
「今すぐ工事は必要ありません」
とお伝えすることもあります。
それでも、
状態を知っておくこと自体が、
建物にとっては大きな意味を持ちます。
もし今、
「そろそろかな?」
「ちょっと気になるな」
そんな小さな引っかかりがあれば、
それは建物からの、ささやかなサインかもしれません。
大切な建物と、これからも安心して付き合っていくために。
“何かをする前に、まず知る”
その一歩を、私たちにお手伝いさせて下さい*ˊᵕˋ*
本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。
