こんにちは。
さとう塗そうです。
外壁塗装というと、
「どんな塗料を塗ればいいの?」
「どんな色にしよう?」
と、“塗ること”を前提に考える方がほとんどです。
しかし実は、建物の中には「塗らないほうがいい素材」や「塗装しても意味がない素材」も存在します。
それは、塗装が不要な素材=塗装しても性能的・構造的にメリットが少ない素材があるのです。
今回は、そんな「塗装しない素材」について、専門的な視点から解説していきたいと思いますꕤ︎︎·͜·
「うちの家は塗装が必要?」
「やらなくてもいい場所はあるの?」
と悩んでいる方は、ぜひ最後までお付き合いくださいね😊
1. そもそも「塗装する素材」と「塗装しない素材」があるのはなぜ?
建物には、木・金属・樹脂・コンクリート・サイディングなど、さまざまな素材が使われています。
素材によっては、表面に“保護膜”を作る必要があるものと、すでに“保護機能”が備わっているものがあります。
たとえば──
- 鉄は「錆びやすい」ため、塗膜で守る必要があります。
- 木も「紫外線や水分」に弱いため、塗料で保護した方が長持ちします。
- 一方で、アルミやステンレス、タイル、樹脂系外壁などは、そもそも塗装をしなくても耐久性が高い素材です。
つまり、素材自体が“塗料の役割”を果たしているようなものもあるのです。
2. 塗装しない(または塗装が不要な)代表的な素材
ここからは、実際に「塗らない方が良い」「塗っても効果が薄い」代表的な素材を紹介します。
① タイル外壁
近年の住宅でよく見かける「タイル張りの外壁」。
レンガ調や石目調のデザインで、高級感があり人気の素材です。
タイル外壁は基本的に塗装の必要がありません。
理由は、タイル自体が焼き物であり、非常に硬くて耐候性が高いからです。
紫外線・雨・風に強く、10年、20年経っても劣化しにくい素材です。
ただし、注意すべきポイントがあります。
それは「目地部分(タイルとタイルの隙間)」です。
ここには“コーキング材(シーリング材)”が入っており、この部分は10年前後で劣化します。
👉 つまり、タイル外壁は「塗らない」けど「目地メンテナンスが必要」な素材。
外壁全体を塗る必要はありませんが、目地が切れてしまうと雨水が侵入し、内部を傷めてしまうことがあります。
② 金属系サイディング(ガルバリウム鋼板など)
最近とても人気なのが「ガルバリウム鋼板」の外壁。
モダンな印象で、軽量・高耐久・メンテナンス性も高い素材です。
ガルバリウム鋼板は、亜鉛・アルミ・シリコンなどの合金メッキで表面が保護されているため、
塗装をしなくても10〜20年程度は問題なく美観と防錆性能を保ちます。
ただし、完全に「メンテナンスフリー」ではありません。
特に注意すべきは以下のポイントです。
- 表面のコーティングが経年で劣化する
- サビが発生した部分(特に切断面やキズ)は早めに補修が必要
- 色あせやチョーキングが見られる場合は再塗装を検討
👉 つまり、新品の状態では塗装不要ですが、経年劣化後には塗装メンテナンスが必要になる素材です。
塗らなくていい時期と、塗ったほうがいい時期を正確に見極めることがポイントです。
③ 樹脂系サイディング(プラスチック外壁)
アメリカやカナダでよく使われる「樹脂サイディング」。
日本でも一部の輸入住宅で見かけます。
こちらも塗装は基本的に不要です。
樹脂素材そのものに着色されているため、表面が剥がれても下地の色が同じ。
塗膜が存在しないため、色あせしても「塗り替え」というよりは「張り替え」で対応します。
ただし、紫外線や熱で多少の色あせや歪みは起こるため、10〜20年で交換が必要になる場合もあります。
④ アルミ・ステンレスなどの金属部材
窓サッシや手すり、玄関ドア、笠木(かさぎ)などに使われるアルミやステンレスも、
基本的に塗装不要です。
これらの素材は、表面に「酸化皮膜」と呼ばれる保護膜が自然に形成され、
それがサビや腐食を防いでいます。
塗装してしまうと、逆にその保護膜を壊してしまう場合もあり、
塗装の密着も悪く、早期剥離の原因になります。
👉 汚れやくすみが気になる場合は、「塗る」よりも「専用クリーナーで洗浄・磨く」方が長持ちします。
⑤ コンクリート打ち放し仕上げ
おしゃれなカフェや別荘でよく見る「打ち放しコンクリート」。
実は、見た目を重視した“塗らないデザイン”の代表格です。
ただし、コンクリートは水を吸う性質があるため、
無塗装のままだと雨ジミやカビがつきやすくなります。
そのため、完全に“何もしない”のではなく、
「クリア保護剤」や「撥水剤」を塗布して防水性を高めるケースが多いです。
👉 色を付ける塗装は不要ですが、保護のための透明コートはおすすめ。
打ち放しの質感を保ちながら、汚れや劣化を防ぐことができます。
3. 「塗らない素材」に塗装してしまうとどうなる?
実際の現場でも、「見た目を変えたい」「古くなったから塗りたい」という理由で
“塗らなくていい素材”に塗装をしてしまうケースがあります。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
塗装不要な素材に塗料を塗ると──
- 密着不良(剥がれ、浮き)が起こりやすい
- 素材の熱伸縮に追従できず、ヒビや割れが発生
- 逆にサビや腐食を早めることも
たとえばガルバリウム鋼板に密着性の悪い塗料を使ってしまうと、
1〜2年でペリペリと剥がれてしまうことがあります。
見た目は一時的にキレイでも、長期的に見ると逆効果になるケースも多いのです。
4. 塗らなくてもメンテナンスは必要?
「塗装不要=何もしなくていい」ではありません。
どんな素材でも、定期点検と清掃は欠かせません。
たとえば──
- タイル外壁 → 目地(コーキング)の点検・打ち替え
- ガルバリウム鋼板 → キズやサビの補修
- アルミ部材 → 洗浄とクリーニング
- コンクリート → 撥水コートの再塗布
塗装をしない素材こそ、「点検」と「清掃」で寿命が大きく変わります。
5. まとめ:塗らない=メンテナンスフリーではない
今回紹介したように、「塗装しない素材」にもいろいろな種類があります。
素材 | 塗装の必要性 | メンテナンスポイント |
タイル外壁 | 不要 | 目地(シーリング)の劣化 |
ガルバリウム鋼板 | 新築〜10年不要 | サビ・コーティングの劣化 |
樹脂サイディング | 不要 | 変形・退色時に張替え |
アルミ・ステンレス | 不要 | 汚れ・くすみの洗浄 |
打ち放しコンクリート | 着色塗装不要 | 撥水剤の塗布 |
塗らなくても良い素材を「塗らない勇気」も大切です。
そして、「塗る・塗らない」よりも、「どう守るか」が大切です。
6. さとう塗そうが大切にしていること
私たち「さとう塗そう」は、ただ塗るだけの塗装業者ではありません。
お住まいの素材・環境・使用年数を見極め、
「本当に塗装が必要な箇所」だけを正直にご提案することを大切にしています。
「塗らない方がいいです」とお伝えすることもあります。
それは、無駄な工事を減らし、お客様の大切な住まいを長持ちさせるため。
創業60年以上、地域に根ざしてきた経験から、
“塗るべき場所・塗らないほうがいい素材”の判断を、
職人目線で丁寧にご説明いたします。
7. 最後に:塗るか迷ったら、まずはご相談ください
「うちの外壁、塗ったほうがいいのかな?」
「ガルバリウムでも塗装したほうが長持ちする?」
そんな疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
現地調査では、実際に素材や劣化状態を確認し、
塗装が必要かどうかを“正直に”診断いたします。
外壁や屋根の素材に合わせた最適なご提案で、
「無駄のない」「安心できる」メンテナンス計画をお届けします。
本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。
