― 着色+上塗り(造膜タイプ)を選んだ理由と、含浸タイプとの違い ―
こんにちは。
さとう塗そうです。
今回は 木部塗装(着色+上塗り・造膜タイプ) の施工方法についてお話していきます。
木部塗装のご相談をいただくと、よくこんな声を耳にします。
「木にはオイルがいいって聞いたんですけど…」
「自然な感じが好きだから、含浸タイプが良いですよね?」
「正直、違いがよく分からなくて…」
この気持ち、とてもよく分かります。
初めての方が、木部塗装を分かりにくいのは当然です。
だからこそ今回は、
木部塗装の施工方法の種類についてお話していきます。
◎今回、造膜タイプで施工した理由
今回の現場では、
着色+上塗り(造膜タイプ) で施工しました。

※施工前写真になります。
理由は、大きく分けて3つあります。
① 前回の施工が「造膜タイプ」だったから
木部塗装で、とても大事なのが
「前に何が塗られていたか」です。
今回の建物は、前回も造膜タイプで塗装されていました。
この状態で、
「今回はオイル(含浸タイプ)にしましょう!」
と切り替えてしまうと、実はトラブルの原因になります。
なぜかというと、
含浸タイプは 木に染み込んで守る塗料 。
すでに膜ができている木部には、うまく染み込めないのです。
その結果、
・色がまだらになる(吸い込みムラがある)
・思ったより早く色あせる(十分に染み込まないため)
・剥がれやすくなる(塗膜の違いによるトラブル)
といったことが起こりやすくなります。
私たちは、
「この塗料が良いですよ」ではなく、
「この建物に、今その施工をして大丈夫か」を1番に考えています。
② 旧塗膜が残っており、含浸タイプが向かない状態だった
遠くから見ると、木部はきれいに見えることがあります。
でも、近くでよく見ると…
・うっすら膜が残っている
・触ると少しツルっとする
・場所によって状態が違う
こういったケースは少なくありません。

この写真では、
「白いところ」=旧塗膜もなく素地の状態
「茶色いところ」=旧塗膜が残っている状態
です。板壁の隣同士の板でも、様々な理由によりこれだけの差が出ています。
この状態で含浸タイプを塗ると、
染み込むところ・染み込まないところが混ざるため、
見た目も耐久性も安定しません。
造膜タイプであれば、
既存の塗膜を活かしながら、
全体を均一に守ることができます。
「木に優しそうだからオイル」
それだけで選ぶと、
あとで後悔することもあるんです。
③ 別荘だからこそ「長持ち」を優先した
今回の建物は別荘です。
別荘は、
毎日人が住んでいる住宅とは、条件がまったく違います。
・留守の期間が長い
・換気が十分にできない
・湿気がこもりやすい
・気づいた時には劣化が進んでいる
こうした環境では、
木をしっかり守る力がより重要になります。
造膜タイプは、
木の表面にしっかりとした保護膜をつくるため、
・雨
・紫外線
・急な温度変化
から木部を守りやすく、
次のメンテナンスまでの期間を延ばしやすいのが特長です。
別荘では、
「自然な風合い」より
「安心して長く使えること」を選ぶオーナー様も多いんです。
◎含浸タイプと造膜タイプの違い
ここで1度、
含浸タイプと造膜タイプの違いを整理します。
【含浸タイプ(オイル系)】
含浸タイプは、
木にスーッと染み込んでいく塗料です。
例えるなら、
木が日焼け止めを塗っているような感じ。
【良いところ】
・木の質感が自然
・触った感じがやさしい
・新しい木材には相性が良い
【注意点】
・劣化が比較的早い
・定期的な塗り直しが必要
・旧塗膜がある木には不向き
「こまめに手入れできる」
「新築や無垢材を楽しみたい」
そんな方には向いています。
《施工例》
-before-

-after-

🏠:https://painting-satotoso.com/everyday/飾り柱の塗装-キシラデコール塗装/
【造膜タイプ(着色+上塗り)】
造膜タイプは、
木の表面に保護の膜をつくる塗料です。
例えるなら、
雨具を着せてあげるようなイメージ。
【良いところ】
・紫外線や雨に強い
・色持ちが良い
・メンテナンス周期が長い
・別荘や留守が多い建物と相性が良い
【注意点】
・自然な質感は少し控えめ
・状態に合わないと剥がれの原因になる
どちらが良い・悪いではなく、
「今の木に合っているか」が1番大切です。
《施工例》
-before-

-after-

🏠:https://painting-satotoso.com/everyday/外壁-板貼り-塗り替え工事~着色+上塗り編~/
それぞれの作業風景・施工例を紹介したブログのURLを貼っておきます☺️
よろしければ、合わせてご覧くださいね👀
◎別荘の木部メンテナンス時期・タイミング
ここは、特に皆さまが気になるお話です。
【木部塗装の目安時期】
環境にもよりますが、目安としては、
- 含浸タイプ:3〜5年
- 造膜タイプ:5〜10年
ただし、別荘の場合は
見た目より早めの判断がおすすめです。
⚠️こんなサインが出たら要注意
・色が薄くなってきた
・表面がカサカサしている
・触ると粉が付く
・雨のあと、木がすぐ濡れる
この状態は、
「そろそろ守る力(塗膜)が弱くなってきていますよ」
というサインです。
完全に傷んでからでは、
費用も多額になってしまいます。
建物からの塗装時期の目安サインを受け取るのが
私たちの塗装屋の役目です !!
お気軽にお声掛けください😊
◎私たちが一番大切にしていること
さとう塗そうでは、
最初から塗料を決めて話すことはありません。
まずは、
・今の木の状態
・前回の塗装内容
・建物の使われ方
・お客様が何を大切にしたいか
これを一緒に確認します。
そして、
「今、この建物に無理のない方法」を選びます。
最後に…
木部塗装は、
見た目以上に「判断」が難しい工事です。
だからこそ、
分からないまま進めてほしくありません。
「オイルがいいって聞いたけど…」
「うちはどっちが合うんだろう?」
そんな疑問があれば、
遠慮なくお聞かせください。
正直に、今の状態をお伝えします。
このブログを読み終えたとき、
「さとう塗そう なら安心して相談できそうだな」
そう思っていただけたら、私たちは嬉しいです☺️💞
木のこと、建物のこと、
一緒にゆっくり考えていきましょう。
====================
本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。