こんにちは
さとう塗そうです。
塗装工事やDIYで塗料を使用した後、
「まだ余っているけど、次に使うときのために取っておきたい」
「どうやって保管すれば固まらずに使えるの?」
といったご相談をよくいただきます。
実は塗料は、保管方法次第で寿命が大きく変わる繊細な製品です。
正しく保管すれば数年後でも再使用可能ですが、間違った方法だとわずか数週間で使えなくなることもあります。
この記事では、
◎ 塗料の種類別の最適な保管方法
◎再使用できるかの見分け方
◎劣化を防ぐためのコツ
◎ やってはいけないNG保管例
を、プロの視点から詳しく解説していきます(*´˘`*)
【なぜ塗料の保管が大切なのか?】
塗料は「空気・温度・湿気・光」によって化学反応を起こします。
この反応が進むと、塗料の中の成分が分離・硬化してしまい、塗っても密着しない・ムラになるなど、仕上がりに大きな影響を与えます。
塗料を正しく保管する最大の目的は、
「塗料の劣化を防ぎ、次回使うときに性能を保つこと」
つまり、塗料は“生きている素材”と考えてください。
扱い方ひとつで、その寿命も品質もまったく変わります。
【塗料のタイプ別!最適な保管方法】
塗料には大きく分けて「水性塗料」「油性塗料」「スプレー塗料」の3種類があります。
それぞれ性質が異なるため、保管方法も変わります。
1.水性塗料の保管方法(DIY向けでも扱いやすい)
水性塗料は、樹脂や顔料を水で溶かしているタイプ。
扱いやすく臭いも少ないのが特徴ですが、乾燥や凍結に弱いというデメリットもあります。
✅保管の基本ポイント
◎しっかり密閉する
◎冷暗所に置く(直射日光を避ける)
◎5〜25℃の常温で保管する(極端な温度変化を避ける)
🔧正しい保管手順
①フタの周りについた塗料を拭き取る
→ 乾いて固まると密閉できず、空気が入って劣化の原因に。
②缶の内側の空気をできるだけ抜く
→ ラップを塗料の上に密着させてからフタを閉めると◎。
③缶は逆さまにして保管しない
→ 密閉性が落ち、塗料漏れの原因になります。
④暗くて風通しの良い室内で保管
→ 屋外の倉庫など、温度変化の大きい場所は避ける。
💡豆知識:
冬場の寒冷地(長野県など)では、夜間の凍結に注意!
一度凍ってしまうと、分離して再使用できなくなります。
室内での保管は絶対!!
毛布で包んだり、発泡スチロールの箱に入れておくだけでも長持ちさせることができますよꕤ︎︎·͜·
2. 油性塗料の保管方法(長持ちするが可燃性に注意)
油性塗料は、シンナーなどの有機溶剤で樹脂を溶かしています。
水性塗料より耐久性があり、プロ施工でもよく使われますが、揮発性が高いため取り扱いには注意が必要です。
✅保管の基本ポイント
◎火気厳禁・換気の良い場所で保管
◎直射日光・高温多湿を避ける
◎密閉状態を維持する
🔧正しい保管手順
①フタをしっかり閉める
→ゴムハンマーなどで軽く叩いて密閉を確認。
②缶の中の空気を抜く
→ラップをかけるか、残量が少ない場合は小さい容器に移し替えると効果的。
③火気から離れた冷暗所に保管
→ボイラー・ストーブ・給湯器付近は厳禁。
④容器の外に「油性・危険物」ラベルを貼る
→家族が誤って触れないようにするため。
⚠️注意:
- 揮発したガスは可燃性です。密閉空間(押入れ・車内など)に置くのは危険です。
- 長期間保管する場合は、半年に1度は状態を確認しましょう。
3. スプレー塗料の保管方法(ガス圧による危険に注意)
スプレー塗料は、塗料とガスが混ざって入っており、非常に便利ですが保管ミスによる事故も多い製品です。
✅保管の基本ポイント
◎高温・直射日光を避ける
◎火気の近くに置かない
◎40℃以上の場所に放置しない
🔧正しい保管手順
①使用後はキャップをしっかり閉める
②日の当たらない風通しの良い場所に保管
③夏場の車内・物置きには絶対に放置しない
→ 内部圧が上昇して破裂・爆発の危険があります。
💡おすすめの保管場所:
◎北側の部屋や日陰の倉庫
◎温度変化の少ない押入れ下段
【季節別!塗料保管の注意点】
長野県のような寒暖差のある地域では、季節ごとの注意ポイントを押さえることが大切です。
季節 | 注意点 | 対策 |
春 | 花粉やほこりが混入しやすい | フタを開ける回数を減らす |
夏 | 高温で揮発・膨張しやすい | 日陰で保管、金属缶は触れない場所に |
秋 | 湿度が高くカビ発生のリスク | 密閉+除湿剤を使う |
冬 | 凍結・分離の恐れあり | 室内常温で保管する |
【再使用できるかを見極めるチェックポイント】
次の塗り替え時に「この塗料まだ使えるかな?」と迷う方は多いです。
簡単にチェックできる目安を紹介します👇
✅再使用OKな状態
◎混ぜると均一に戻る
◎臭いに違和感がない
◎表面に薄い皮膜があっても、下の塗料は滑らか
❌廃棄すべき状態
🙅♀️ドロドロに固まっている
🙅♀️強い異臭がある(酸っぱい・腐敗臭)
🙅♀️分離して混ぜても戻らない
🙅♀️サビやカビが発生している
※判断に迷ったら、無理に使用せず廃棄をおすすめします。
(誤った再使用は、密着不良や変色など施工不良の原因に)
【プロが実践する“塗料を長持ちさせる5つのコツ”】
①使いかけはすぐ密閉する
→ 空気と触れる時間が短いほど酸化を防げます。
②残量が少ない塗料は小さな容器に移す
→ 空気との接触面を減らして劣化防止。
③ラップ+輪ゴム+フタで三重密閉
→ 水性塗料の乾燥防止に効果的。
④定期的に軽く撹拌(かくはん)する
→ 成分の分離を防ぐ。月1回が目安。
⑤直射日光と温度差の少ない環境を選ぶ
→ 「倉庫の床より、押入れの下段」がベター。
【塗料缶・容器の管理とラベルの重要性】
意外と忘れがちなのが「ラベル管理」です。
塗料は外観だけでは種類を見分けにくいため、保管時に情報を明記することが大切です。
🏷️記載しておくと良い内容:
- 塗料の種類(例:シリコン樹脂、水性ウレタンなど)
- メーカー名・商品名
- 使用日・希釈率・残量目安
- 次回使用予定箇所
→ マスキングテープに記入して缶の側面に貼ると見やすく、混乱を防げます。
【やってはいけない!塗料のNG保管例】
①屋外の倉庫やベランダに放置
→ 夏は高温、冬は凍結。品質が一気に劣化します。
②フタを軽く閉めただけ
→ 揮発・乾燥・固化が進み、再使用不可に。
③金属缶を湿気の多い場所に置く
→ サビ発生▶︎塗料に混入して品質低下。
④食品や日用品と一緒に保管
→ 誤飲・引火などの危険があります。
【塗料の保存期間(目安)】
種類 | 未開封 | 開封後 |
水性塗料 | 約2〜3年 | 約6か月〜1年 |
油性塗料 | 約3〜5年 | 約1年〜2年 |
スプレー塗料 | 約3年 | 使い切り推奨 |
※保存状態や気候によって変わります。
開封後は「できるだけ早く使い切る」が鉄則です。
【塗料の保管とSDGsの関係】
最近では、「環境にやさしい塗装」を意識するお客様も増えています。
塗料を正しく保管・再使用することは、実はSDGsの実践にもつながります。
- 廃棄量を減らして資源を有効活用(目標12「つくる責任つかう責任」)
- 化学物質の流出を防ぎ、環境汚染を防止(目標15「陸の豊かさを守ろう」)
さとう塗そうでも、現場ごとに余り塗料を最小限にし、再利用・適正保管・環境負荷低減を徹底しています。
【さとう塗そうが行う“プロの保管管理”】
創業60年以上の実績を持つさとう塗そうでは、
塗料の品質を最大限に活かすために厳格な保管体制を設けています。
- 気温・湿度を一定に保つ専用倉庫で保管
- 種類ごとに密閉・ラベル管理を徹底
- 使用期限を記録し、ロスを最小限に
- 再使用時は必ず状態を確認・試験塗りを実施
こうした地道な取り組みが、高品質で長持ちする仕上がりにつながっています。
【塗料は「保管」で寿命が決まる!】
項目 | 水性塗料 | 油性塗料 | スプレー塗料 |
密閉性 | 必須(乾燥防止) | 必須(揮発防止) | 必須(ガス漏れ防止) |
温度管理 | 常温(5〜25℃) | 冷暗所 | 常温以下・日陰 |
保管場所 | 室内・日陰 | 火気厳禁・換気良好 | 涼しく風通しの良い場所 |
再使用期限 | 約6〜12か月 | 約1〜2年 | 使い切り推奨 |
塗料は正しく保管すれば、次の塗り替えにも使える資産です。
しかし、間違った管理をすれば、せっかくの塗料もすぐに使えなくなります。
ぜひこの記事を参考に、あなたのご自宅でも“プロ仕様”の保管方法を実践してみてください。
【塗料の管理・再使用でお困りの方へ】
「余った塗料を保管したいけど不安…」
「古い塗料が使えるか見てほしい」
そんな時は、ぜひさとう塗そうへご相談ください。
経験豊富な職人が、塗料の状態確認から再使用のアドバイスまで丁寧に対応いたします。
よろしければ、こちらも合わせてご覧下さい👀
🏠:https://painting-satotoso.com/trivia/水性塗料の冬場保管/
私たちがおこなっている水性塗料の保管方法について記載しております。
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本日もさとう塗そうの【塗装のあれこれブログ】をご覧いただき、ありがとうございました。
